シリーズ第六弾にして、最終巻。家の声が聞こえる青年、遠野守人は、間借り している月光荘の二階をイベントスペースとしてオープンさせ、管理人として 忙しい日々を過ごしていた。しかし、自分と同じように家の声が聞こえる喜代さん が亡くなったことが想像以上に堪えており、気持ちが塞がるばかりだった。 そんな中、月光荘のオーナー・島田から、大学の恩師・木谷とともに、狭山市の 古民家をリノベーションした蕎麦懐石を食べに行こうと誘われる。「とんからり」 というその店に行くと、守人は「とんとん からー」という不思議な音と共に、 「マスミ」とつぶやく家の声を聞く。この家は何かを訴えている――。 最終巻らしく、これか…