菰(こも)編みを体験する 百姓(ひゃくしょう)は長く差別用語として扱われてきた。だからか、現代農民のほとんどは自らを百姓と呼ばないし、関係者も今やまったくこの言葉を使わない。農村ではほとんど死語になっている。 一方、近年になって農外から参入した就農者の中に、あえて百姓と自称する人がいる。その想いには私も賛同するところがある。意外にも、農外の人々の中に百姓の真の意味合いを理解している人がいるのだ。 現代では「百姓=(過去の)農民」とだけ理解されている。だが過去の百姓は、単に農作業を行うだけの存在ではなかった。農村社会に必要なあらゆる要素を備える多機能集団を意味していたのだが、現代人の多くはそのこ…