評判になっている「田中一村展」を見に、連休最終日に上野まで出かけて来た。東京都美術館は久しぶり。時間指定のチケットを購入して行ったが、展示室はかなり賑わっており、評判通りの注目度の高さが感じられた。 彫刻家を父に持ち、東京芸大に入学したにもかかわらず、すぐに中退し、両親や兄弟を相次いで亡くすなど、孤高の画家で、生存中はほとんど評価されず、遠い南国で生涯を終えたことから、ゴッホやゴーギャンになぞらえて紹介されることが多いが、その画力の強さも、ふたりの巨匠並みだった。 まず、展示数が最近の企画展には稀に見る多さだった。さらに、その多くが細部まで丁寧に描かれていて、じっくり見て行くと、見終わった後に…