午後、天気が回復して青空が広がったので、陽射しは強いものの風が冷たく妙な大気を感じながら散歩へ出た。 いつものコースの一つを歩いて家へ戻る途中、道の上に何やら動く、黒っぽく小さなものがある。 近づいてみると鳥の雛である。 車はそれほど通らないものの、そのままでは轢かれてしまう恐れが高そうだったので、脅かさないよう掌に載せ、とりあえず路肩に繁る熊笹の根元へ移した。 そうして、親鳥がいるのか、巣はあるのだろうかと辺りを見回し、樹々を見上げてみたのだけれど、それらしきものは見当たらない。 と、せっかく避難させた奴がまたぱたぱたよちよちと道へ出てしまい、慌ててそれを追いかけていくと、別にもう一羽いた。…