宝永5年4月29日。辰刻(午前7時)から文左衛門は藤入と共に大森寺へ出かける。藤入新田で湯漬け・酒なども頂いていると星野勘八もやって来た。一緒に巳半(午前10時)大森寺へ到着する。酒などを頂くうちに冷麦などが出る。各ひと眠りする。申(午後3時)過ぎ膳が出たので、また酒を楽しむ。戌(午後7時)前に帰宅する。未(午後1時)過ぎ、中根文左衛門裏の9尺(1尺は約30センチ)に3間(1間は約1、8メートル)隠居屋が焼失する。先日の出火の後遠慮となっていたが、昨日頃からまた出仕していてこの如く。2、3日前にも火事を出しそうになっていた。近所には隠しようもなく、家内に火をつけた者がいると思われた。渡辺飛騨守…