ここいらの子どもたちに、こんな遊びがあってね。 蛙を生きたまんま、土に埋めちまってね、声をそろえて唄うのさ。 「ひきどのめでたくお亡くなりぃ、お亡くなりぃ。おんばく持ってとぶらいにぃ、とぶらいにぃ」 ってね、口ぐちに囃したてたかと思うと、埋めた上へ芣苡の葉を山盛りに盛り被せてね、ワァ~ッてなもんで、散りぢりに帰っちまうのさ。 「おんばく」も「芣苡」(フイ)も、オオバコのこったよ、念のため。「芣苢」とも書くらしいがね。 ところで『本草綱目』には「車前草」(これもオオバコだよ、念のため)の異名を蝦蟇衣と書いてある。蛙に着せる衣だってさぁ。 かと思うと、信州でもここいらから妙高あたりまでの方言で、オ…