だらしない萩を括って愛おしみ 急に空気が冷えてきて、ようやく庭の植物にも気が向くようになった。 その中で、きれいな赤紫が見えるのが、萩の花。 いい色をしている。もうほろほろこぼれて、地面が紫に見える。万葉の昔から人気のある理由が分かる。種類はミヤギノハギだろうと自分で勝手に決めているが、正確には分からない。 庭には、白と赤紫があったが、白萩は余りに大きくなり過ぎたので、三分割して一つは他所にあげて一つはポットに植え、一つは別処に植え替えた。ところが日差しが強いせいか、葉がみな焼けて落ちて惨憺たる有様になってしまった。さて来年どうなるのか。 中尾佐助著「花と木の文化史」(岩波新書)には、 「万葉…