門扉左右の松をはずす。玄関玉飾りをおろす。空気や水の入口だの鬼門の窓だのを守護していた裏白の輪飾りをすべて集める。 昨日七草のうちに下げるべきだったろう。そう思わぬではなかったが、立込んでいた。心急いていたのだ。閑用として翌日回しにしてしまった。 神社へ持ってゆけば、境内に巨大な穴が掘ってあって、お焚きあげしてくださる。実際に持って伺ったこともある。が、近年は伺わなくなった。藁や裏白は、剪定鋏でざくざく切って、いずれは土中に埋め戻す。海藻類は、まさかこれから出汁を取るわけにもゆかぬだろうから、水を含ませて微塵に刻んでから、これもやがて埋めてしまう。地中でガスが発生するかもしれぬが、人体に影響な…