劣悪環境にわずか一騎、ジュウニヒトエ(多分)。どこからやって来たものだろうか。 初めはだれも、さようだった。あまりの手抜きがたたって、背丈が伸び過ぎてしまったシダやドクダミを遅まきながらむしってみると、下草に混じってほんのひと株かせいぜい数株、観慣れぬ形の葉が眼に着く。ちゅうちょすることなく無差別に引っこ抜く。そのまま忘れてしまう。 翌年の同時期にまた出てくる。そういえば去年もこの葉を観た気がすると、思い出す。数メートル離れた処にも、同じ葉が出てきている。十メートルも離れた地点で眼にすることもあった。 そんな風にして、彼岸花もユキノシタも、なん年もかけて定連として居着くようになった。ヒメオドリ…