昨日。 そして今日。 朝からなにやら音がしていたようだと、半睡半醒の頭の隅で思った。大音量の騒音というほどではない。振動も感じない。掘削音でも打撃音でもない。きしるというか、擦れるというべきか、人工的に合成した宇宙音のようにも感じた。 午前十一時を回ってようやく、はっきり眼醒めた。玄関を出てみると、西隣との境界塀上部を取り去る工事はあらかた済んでいた。 過日アスファルト剥しの工事のさいに挨拶し、二言三言交した作業員さんが、今日も重機を操縦している。作業を続けたまま操縦席から会釈してきたので、こちらからも会釈を返した。 昭和三十三年(1958)にこの地へ移って来たとき、ブロックは八段か九段積みの…