親鸞

『仏教の思想 10 絶望と歓喜<親鸞>』増谷 文雄 (著), 梅原 猛 (著) 角川ソフィア文庫 仏教の思想 １０ 絶望と歓喜＜親鸞＞ (角川ソフィア文庫) 作者:増谷 文雄,梅原 猛 KADOKAWA Amazon いろいろうーんとなりながら読み切った。 どうしても梅原猛氏の暴走が気になり、思考がいったん止まってしまう。今回の親鸞聖人においては、梅原氏の見方は外から見たときにそのようにみえる「ことがある」というくらいで読んだ方が真宗クラスタは受け入れられるのではないだろうか。 梅原氏が重要だと思われたのだと思うが途中『失われた十字架』の聖徳太子とその一族の話が出てきたりして、まあ、とても範囲…

親鸞の家族関係について、詳しい記述がありました。親鸞には三人の妻がいたこと、長男の善鸞は最初の妻との子であったことが分かりました。本願寺は二代目が善鸞、三代目が善鸞の子の如信です。善鸞との義絶については史実かどうか定かではないようです。親鸞の奥さんの恵信尼は、親鸞のことを観音菩薩の生まれ変わりと思っていたそうです。恵信尼が、夢で見てそう思ったそうです。実際に一緒に生活した人の意見ですから、親鸞聖人は本当に観音菩薩のような方だったのではないかと思いました。 恵信尼の末娘である覚信尼は、親鸞の京都での生活を支えました。覚信尼は日野一族の人と結婚し、子どもにも恵まれました。四代目は覚信尼の孫の覚如が…

某チラシの記載、 「歎異抄に学ぶ」 必要なとき出逢う名著。 その時が来たのかも...。

先ほど、御取越（おとりこし）が無事終わりました。お寺では今月２１日・２２日に報恩講が執り行われますが、その前に日を繰り上げて各家で行われます。数日前から妻（私も）が母にいろいろと教えてもらいながら準備をしてきました。毎年のことですが、忘れていることが多く、いつまでも母に頼らなくてもよいように、写真に撮って記録しています。 今朝、お鉢様をお供えして準備が整いました。

よしあしの 文字をもしらぬ ひとはみな まことのこころ なりけるを 善悪の 字しりがおは おおそらごとの かたちなり親鸞「正像末和讃」（『浄土真宗聖典』622頁） （良いとか悪いという文字を知らない人はみんな、真実の心を持った人です。善悪の文字が、わかったと思って使ってる人は、かえって何も分かっていないのです。） 親鸞が88歳のときに詠んだ上記の和讃、「正像末和讃」の一節には、善悪を超えた「まことのこころ」を持つ人々への深い敬意が表れています。この和讃の背景には、親鸞が長年追求してきた浄土真宗の核心が凝縮されており、善悪や知識の価値を相対化し、人々の真実の姿に光を当てる彼の視点が浮き彫りになり…

信心すなはち一心なり 一心すなはち金剛心（こんごうしん）金剛心は菩提心（ぼだいしん） この心すなはち他力なり 出典（高僧和讃 天親讃『註釈版浄土真宗聖典』五八一頁） この和讃も一度覚えると心に残るものです。その意味は以下のようなものだと思います。阿弥陀仏を信じる心は、阿弥陀仏の誓願を疑いなく受け入れる心であり、他のものに惑わされない一つの心です。一つの心は壊れることのない非常に強い心です。非常に強い心は自他ともに悟りを開いて仏になろうとする心です。仏になろうとする心は他力に基づいています。つまり、阿弥陀仏の救済を信じる心が、実は仏からもたらされる他力から起こってるという意味かと思います。 親鸞…

悪性さらにやめがたし こころは蛇蝎(じゃかつ)のごとくなり 修善も雑毒なるゆえに 虚仮の行とぞなづけたる これは親鸞聖人が晩年に詠まれた和歌です。以下は私の解釈です。「欲にまみれた悪い心は常にわき起こる。心はまるでヘビやサソリのように嫌悪されるようなものである。悟りを開こうとする自力の修行は役に立たないので、虚しいことだと言うしかない。」 出典は、正像末和讃、愚禿悲嘆述懐（注釈版聖典617ページ） 私も最初にこの歌の前半をを知った時は、自分のことを言われたかと感じました。この和歌のような生活を送っているのは間違いありません。人間の心に潜む煩悩や欲望が絶えず湧き起こること。仏教の修行者ではないの…