蓮如上人御一代記聞書(本願寺出版社)の冒頭に登場する二つの和讃を紹介します。この本は、蓮如上人(脚注1)の近くにいた方が聞いたことをまとめたものです。これらの和讃は、「信心が大事である」ということを述べたものです。また、この本は現代語訳版なので読みやすかなっています。 一つ目の和讃 五濁悪世のわれらこそ 金剛の信心ばかりにて ながく生死をすてはてて 自然の浄土にいたるなれ 現代語訳 この五濁悪世(ごじょくあくせ)(脚注2)に生きる私たちは、ただ金剛のように堅固な他力の信心を持つことによって、長く迷い続けた世界を捨て去り、阿弥陀仏の本願によって阿弥陀仏の浄土に生まれることができるのである。 解釈…