法話

（続きです） 「尊ぶ」という言葉は特別な言葉で、普段使わない。そうかもしれません。私自身、出家で皆さんと環境が違うかもしれません。 人間関係で尊ぶということがきれいにおさまらない、とか……。 私の気持ちとして、実はもっと身近にある、特別だけれど「尊ぶ」ということはあるということをお伝えしたいです。 今、瞑想しました。 「駅と電車」という例え、単純ですが慣れることが必要かもしれません。 今まで我々は電車をどうにかしようとして生きてきました。また仏教の修行と言っても、頑張って何とかして何か作って……となってしまうかもしれません だからこそ、コツコツやっていただきたいんです。 「尊ぶ」もそうですね。…

（続きです） 理想と現実のギャップということ。 あとで瞑想する時にも言いますが、いつも言っている話でアチャン・チャーの「駅と電車のたとえ」です。 心の中に現れるものは、駅にやってくる電車のようなものだ。簡単なお話です。しかし大切なことが言いあらわされています。 心の中に記憶、感じ、感情、あるいはストーリーが現れてくる。それらは電車のようなものです。電車は駅にやってくる、そして少し留まってまた去ってゆく。心に現れるものも、やってきては去ってゆく。 仏教の言葉に無常・苦・無我とあります。 無常とは日本文学に出てくるセンチメンタルなものではなく、淡々と当り前にすべてのものが常住ではなく移り変わるとい…

（続きです） 次の「欲望と執着で生きる人間の命はそれほど価値は高くはないと思います。」、「欲望と執着で生きる」このことの危険性、それは苦しみが大きくなるということの危険性ですが。 しかし人間であれば欲望・執着はそれぞれにあります。それがない人もそれが100%である人も、現実的ではない。 人は状況によって欲望・執着が動き、それは輪廻の中に生きる上で逃れられません。それが悪であるとする、あるいはある人、ない人をもって斬るのはつらいですね。それは仏法の生き方になっているのか。 この方の言葉の選び方でしょうが、「この人の価値」という言い方をするのは、怖いなと思います。すみません。 我・無我という言葉。…

（続きです） 《参加者からのコメント》 あなたにとって「尊い」ものは何ですか、と改めて問われ言葉に詰まる。 普通に考えて「命」と答えるところだが少し違うような気がします。他者の犠牲で成り立つ人間の命は尊くはない。欲望と執着で生きる人間の命はそれほど価値は高くはないと思います。 しばらく考えて「仏法」と答えたいと思います。自分と隣人の命と存在を清め高めてくれるもの、それは仏法しかないように思うからです。 この方の考えるプロセスをそのまま書いていただきました。 「他者の犠牲で成り立つ人間の命は尊くはない。欲望と執着で生きる人間の命はそれほど価値は高くはないと思います。」 ……微妙な気持ちです。 確…

今日はどう過ごすか…もともと４つの選択肢があった。 ①地元の屋外坐禅会参加 ②地元のお寺での坐禅会参加 ③随麗尼僧様の「慈雲寺（愛知県）」にご法話を聴きにいく ④自宅でいつも通り坐禅して過ごす ①は昨日の時点で選択肢から外れ、おそらく④のいつも通り自宅で過ごす予定だった。しかし、朝起きると、とてもお天気が良く、なんだかテンションが上がってしまい、③を選択。 新幹線に飛び乗り、取りあえず名古屋へ。スマホで行き方を検索しながら進む。目的地の慈雲寺は愛知県名古屋市緑区とブログに書かれているにも関わらず、何故だかキーワードを「愛知県知多市 慈雲寺」で検索するという大失敗。そして不運にも、同じ名前の「慈…

仏教の世界では、日々の出来事や自然の姿の中に、修行や人生の真理を見出すことがあります。 「竹は上下に節あり」 という言葉もまた、そのような自然の姿に教えを見出したものです。 竹の節──しなやかで折れない強さ 竹はまっすぐに伸びていきますが、よく見ると「節」が等間隔にあります。 この節こそが、竹を強く、しなやかに、そして折れにくくしている要なのです。 人間の人生もまた、同じように「節目」があります。 仏教ではそれを「苦」として捉えることもありますが、それは単なる不幸ではなく、自己を見つめ直し、成長するための縁なのです。 節を持つことで、まっすぐに伸びる お釈迦さまが出家し悟りに至るまでには、数々…

「パパの薔薇」が咲きました。 こんなことを言うときっと笑われるでしょうが、私は父と母を「パパ・ママ」と呼んで育ちました。おそらく、普通のサラリーマンの家庭で「パパ・ママ」が当たり前になった最初の世代なのでは？ 父は広島の山奥の小さな城下町で生まれ、「おとうさま、おかあさま」で育ったようですし、母は東京の下町育ちですが「おとうさん、おかあさん」だったようです。なぜ父母が「パパ・ママ」にしたのかは不思議なところ。ま、最初の子供に「まみ」なんて、元祖キラキラネームみたいなのを付けた両親なので・・・・・ さて、父は晩年、バラを育てるのに意欲的でした。庭は猫のひたい以下でしたが、塀いっぱいにバラが咲き乱…