「仏となるに、いとやすきみちあり。もろもろの悪をつくらず、生死に著するこころなく、一切衆生のために、あわれみぶかくして、かみをうやまい、しもをあわれみ、よろずをいとうことなく、ねがうことなくして、心におもうことなく、うれふることなき、これを仏となづく。又ほかにたずぬることなかれ」(『正法眼蔵』) 上に述べた言葉は、曹洞宗を開いた道元禅師のおことばです。道元さまは、「只管打坐」という禅風。座禅は悟りを開くための手段ではなく、目的そのものだと教えています。 道元さまは、修行僧たちには非常に厳しい態度ですが、一般の信者には、上に掲げたような、やわらかな表現で、「もろもろの悪いことをせず、善きことをし…