親鸞聖人は『教行信証』の最後に、『教行信証』を書かれた目的を述べられています。 慶しきかな。心を弘誓の仏地に樹て、念を難思の法海に流す。深く如来の矜哀を知りて、良に師教の恩厚を仰ぐ。慶喜いよいよ至り、至孝いよいよ重し。これによりて、真宗の詮を鈔し、浄土の要をひろう。唯仏恩の深きことを念じて、人倫の嘲を恥じず。若しこの書を見聞せん者は、信順を因と為し、疑謗を縁と為し、信楽を願力に彰し、妙果を安養に顕さん。(教行信証後序) ここも大事なところです。どういう意味かというと、まず「慶しきかな」とあります。親鸞なんと嬉しいのか。救われたことを喜ばずにいられない。 親鸞聖人の『教行信証』は「三哉の著書」と…