2023年は清水宏(1903-66)の生誕120年にあたる。清水宏と小津安二郎は同年生まれで、親友でもあった。小津が生誕120年を記念する特集上映が組まれているのに対して、清水の特集上映が開催されないのは残念至極だが(110年を記念する2013年には大々的な記念上映が開催されている)、名画座などで今も様々な作品が上映され人気を博している。 清水宏 (C)松竹映画 今回はその中から1952年の作品『大佛さまと子供たち』を取り上げたい。清水宏の映画を語る際、「子供」は欠かせない重要な項目の一つだ。本作は戦災孤児を引き取って共同生活を送っていた清水宏が、その孤児を役者にして撮った「蜂の巣映画」三部作…