🌸涙雨 🌸 🎼 music by ミルアージュ 風采《ふうさい》もごりっぱで、 以前よりもいっそうお美しくお見えになる帝に 院は御満足をお感じになり、 頼もしさもお覚えになるのであった。 高貴な御身でいらせられるのであるから、 感情のままに 父帝のもとにとどまっておいでになることはできない。 その日のうちに還幸されたのであるから、 お二方のお心は、 お逢いになったあとに長く悲しみが残った。 東宮も同時に行啓《ぎょうけい》になるはずであったが たいそうになることを思召《おぼしめ》して 別の日に院のお見舞いをあそばされた。 御年齢以上に 大人らしくなっておいでになる愛らしい御様子で、 しばらくぶり…