組織運営において、リーダーを補佐する存在は不可欠です。特に、長年の経験や知識を持つ年長者が、若いリーダーを支える「ご意見番」の役割は、組織の安定と成長に大きく貢献する可能性を秘めています。しかし、その役割を誤れば、組織に予期せぬ混乱を招きかねません。 今から遡ること120年以上前の1902年、日本陸軍の精鋭部隊が青森県の八甲田山で雪中行軍中に遭難した悲劇は、その教訓を私たちに深く刻み付けています。猛吹雪の中、指揮官である大尉は雪洞で一夜を過ごす方針を示しましたが、それに異を唱えたのが、部隊に「ご意見番」として随行していた年長の少佐でした。少佐は自身の経験から移動を主張し、結果的に部隊は更なる悪…