Composite Armor
複合材料で作られた装甲のこと。
HEAT弾(成形炸薬弾)の登場以降、各種の化学エネルギーの力を借りて装甲を破ろうとする砲弾が登場し、戦車にとっての大きな脅威となっていた。
一方、これに対抗するために、何らかの異物を装甲に織り込むというアイデアがあった。単純には化学エネルギーを逃がす空隙を導入した中空装甲(spaced armor)であるとか、2枚の装甲板の間に異材料をサンドウィッチ状に挟み込むとかである。
時代は流れて70年代。セラミックなどの新素材技術が発達し、これらを装甲板に取り入れられるようになった。これらは例えばラミネートアーマー(積層装甲)などと呼ばれた。被弾経始のために曲線化してきた戦車は、この新型装甲板の加工の制約から、再び直線的なデザインへと回帰した*1。
(主に報道上の理由により)複合装甲の中で知名度がもっとも高いのはイギリスが開発したチョバムアーマーであるが、その詳細は(他の国々の複合装甲と同じく)軍事機密であり、明らかにはされていない。なんにせよ複合装甲をなんでもチョバムアーマーと呼ぶのは、ソニーやiriverのMP3プレイヤーをiPodと呼ぶような物である。
*1:まあレオパルド2の直角なデザインはやり過ぎでしたが