百華園主人 ジョゼフ・バルサモ 翻案の政治小説 民権運動と民衆 明治14年の政変 百華園主人 櫻田百衛、生年は安政4年とも6年とも云う*1。岡山に生まれ、上京して東京外国語学校にドイツ語を学んだが中退し、自由民権運動に身を投じた。さくらだももえ、と訓む。念のため。 なお、当時の外国語学校は、二葉亭四迷も通ったころの東京外国語学校である。 「学生の気風は一般に豪放不羈を得意にして磊落を喜ぶ」*2というから、壮士の風があったようだ。 明治11年(1878)紀尾井坂において、大久保利通暗殺した中にいた杉村文一も同校の出身である。斬奸状のうつしが校内で回されていたとさえいう。反政府の巣窟みたいな学校だ…