《サイエンスとテクノロジーが、論理と価値の両面において、壁にぶつかっているのは確かである。皮肉なことに両者は繁栄ゆえの枯渇に悩まされているのだ。つまり、まず互いに矛盾する異なった仮説がともに事実に適合するというような事態が科学において頻繁に生じはじめている。また、技術という手段面での価値を有するにすぎないはずのものが目的面での価値にまで昇格し、その結果、テクノマニアの病理が広がりはじめている。 しかし、科学・技術の限界を乗り越えるべく秘教・邪教が出現するのだと見込むのは大いなる錯誤である。実は、サイエンス(とテクノロジー)がオカルト(とカルト)と手を取り合うのは、両者が仲良しだからなのである。…