訓読 >>> 292ひさかたの天(あま)の探女(さぐめ)が岩船(いはふね)の泊(は)てし高津(たかつ)はあせにけるかも 293潮干(しほひ)の御津(みつ)の海女(あまめ)のくぐつ持ち玉藻(たまも)刈るらむいざ行きて見む 294風をいたみ沖つ白波(しらなみ)高からし海人(あま)の釣舟(つりぶね)浜に帰りぬ 295住吉(すみのえ)の岸の松原(まつばら)遠(とほ)つ神(かみ)我が大君(おほきみ)の幸(いでま)しところ 要旨 >>> 〈292〉その昔、天の探女(さぐめ)が高天原から乗ってきた岩船が泊った高津は、今では浅瀬になってしまった。 〈293〉潮が引いた難波の御津の海女たちが、篭を持って今ごろ藻…