負の記憶をバネにする人々と「我知らず」で過ごそうとする人々 東日本大震災発生から12年経った。被災地では復興へ向けて今も歩み続けている。ところが、その一方では震災被害が風化し続けている。 10年ひと昔というが、あの悲劇的な災害であっても同様に惨状が忘れ去られているのだ。 未曾有の災害が起こるたびに「災害記憶を風化させてはいけない」と言われ続け、相応の取り組みも行われてきているが、現実はそう簡単なことではない。 実際に被災した人たちには、復興に向けて邁進するするためには、悲惨な記憶に囚われ続けるよりも、当時の記憶を、ある種のバネにしようとする人たちがほとんどである。 そんな人たちは、肉親や知人な…