30歳のシャイには認知症を患っている74歳の父がいる。 早朝、起床介助するために父の部屋に入ってシャイは絶句した。部屋中がうんこ祭りになっていたのだ。所かまわず排泄した後に便に触れてはベッドの上や布団、服などに擦りつける。 「便に触るなとあれほど言ったのに、何で言うこと聞かないの?」 泣き叫ぶ娘に気おくれすることなく、がみがみ言いながら娘を叩く老人。 シャイは泣きながら新しい寝具に取り換え、父を着替えさせた。そして汚れたものを片付けてから、父の身なりを整えて朝ご飯を食べさせた。 認知症を患ってから父は自力で身の回りのことをこなすことができなくなり、食事や排泄、服薬、洗顔、髭剃りなどの介助はシャ…