〔7〕 論理的なものと歴史的なもの 貨幣の資本への転化は流通界においておこなわれるのであり、かつ流通界においておこなわれるのではない。この論理的把握は資本発生の弁証法と呼ばれる。これは、貨幣から資本がどのようにしてうみだされるのかということの論理的把握である。 人間の歴史の発展の過程をふりかえるならば、資本は、イギリスにおけるエンクロージャー運動に典型的にしめされたところの、直接的生産者から生産諸手段を収奪する歴史的な過程をとおしてうみだされたわけである。マルクスは、この歴史的過程を資本の根源的蓄積過程として分析しあばきだしたのである。 マルクスは、前者の・貨幣の資本への転化の論理的把握にかん…