『謎のギャラリー特別室』に収録の、これまでにお話した以外の作品の備忘録です。 「なにもないねこ」別役実 別役さんはシュールなお話を得意とする劇作家。 代表作『マッチ売りの少女』は、不条理劇として人気の作品。 静かで怖くてしみる作品を作る別役さんだから、これも興味深い。 ちょっと寂しい、かわいそうなねこの話でした。 「猫の話」梅崎春生 こういう話、嫌いです。猫を通して主人公の貧困と苦悩をいいたいのでしょうが、 そういうことに動物の哀れさを利用する作品は嫌いです。 城崎にて、同様苦手な作品です。 私を打ちのめしたその表現力もまた志賀直哉を思わせる。 梅崎作品、読んでみようかなという気になった。 「…