黒澤明の代表作の一本でもあり、格差社会を正面から捉えた犯罪サスペンスの傑作 (評価 85点) 緊密なスクリプト、脚本の妙味、警察サスペンスの醍醐味が存分に堪能できる今なお不滅の傑作。ハイコントラストのモノクロームの映像の中、浮かび上がる犯人役の山崎努のサングラスの光が心に刺さる。 黒澤明が数人がかりのチームで脚本を書くのは有名な話。本作もレギュラーメンバーの菊島隆三以下四人がかりで仕上げられている。面白いのは、各自でパーツを分けて書くこと。そして、それぞれが書いたパーツを最後に結合する。 クロサワのフィルモグラフィの中でも、きわめて特異といってもいい、海外の警察小説エド・マクベインの「キングの…