月めくりのカレンダーはあと二枚だというのに不思議な天気が続いている。冬至迄はあとひと月か。確かに日は日増しに短くなる。しかし肝心の空気には気迫が足りなかった。時折肌を刺すが昼間などはTシャツ一枚でも過ごせる。なんだか誰かに騙されたような気もしてくる。 今日はことのほか風が強かった。職場に行き戸外に出してある自転車を館内に収める。自分の仕事の日課だった。戸外の自転車置き場は大きなクロガネモチの木の下だった。自転車のカゴを見ると小振りの葉っぱが沢山積っていた。今日の風に耐えかねて、頭上の木から散ったのだと思った。 葉っぱでも沢山積ると風に舞い上がるだろう。それが路上に落ちるとアスファルトの上で車に…