世界最古の木造建築は法隆寺である(607年創建)。1,400年間、よくぞ残ったものである。これからも大切に保全し後世に残していくことに誰も反対はしないであろうし、古くなったので建て直そうと言う人もまずいないだろう。 その法隆寺以上に古いものがある。地名である。昨今、この地名がぞんざいに扱われてはいないだろうか。地名はそこに人が住むようになって以来、人々と共にある。大概は一千年を超えて使用されて来た筈である。地名は当時の人々の生活の成り立ちや住環境を反映しており民俗学的な価値を持つ。よって近年の町村合併を機会に旧名とは無関係に新名に変更するとすれば迂闊である。それでも最小単位の村落(大字小字)で…