日本では、7世紀、律令時代に定められた60余国(令制国/旧国)が概ね現在も行政体として地理区分として継承されている。都道府県境が当時と変わっていない。つまり1,300年間、これの総体としての日本の国境も大きくは変わっていない事を意味する(例外的に周縁の蝦夷、隼人の地があるが)。これは珍しい事ではないだろうか。 世界では国境は常に変更されて来た。歴史的にそれが当たり前なのである。日本の特異性は、常に歴史の表舞台となってきた大陸の周縁のしかも島国という立地条件にもよるのかもしれない。イギリスも概ね同様である。そこでは人や物が大規模には交錯しない。 今でも日本では人々は出身地(かつての旧国、あるいは…