落語が元だけあって、わかりやすいので予習も不要です。 真景累ヶ淵というのは噺家、三遊亭円朝の口伝によるもので、深見新左衛門が宗悦を殺したことが発端となり、めぐるめぐる一族の中での20年以上にわたる因果の物語。 「豊志賀の死」はこの中の第3話です。宗悦の娘豊志賀と新左衛門の息子新吉がなんの因果か愛し合う関係にある。とはいえ、宗悦の娘と新左衛門の息子というのは、単独で「豊志賀の死」だけが上演される場合にはあまり関係がないので、忘れてもらってていいです。 しかし、哀しいお話だと思うんです。 豊志賀は、20も年下の新吉と深い仲だが顔にできものができ、どんどんひどくなりついに床についてしまう。新吉は誠意…