戦後、雨後の筍の様に増えた「貸本屋」の全盛期は1955年から58・9年頃の3~4年間と言われている。まだ高度成長期の入り口で、戦後の傷跡があちこちに残っていた時代で、当然、公共図書館も整備されておらず、テレビも普及していなかった。戦後の赤本マンガブームとともに貸本屋にもマンガが置かれるようになり、当初は青年をターゲットにしていた貸本屋の顧客に子供も増加、貸本屋は「町の図書館」としての役割を持つようになった。そして、戦後、娯楽に飢えていた人々の需要に呼応して、全国 ( 特に大都市周辺で )「貸本屋」が増えていく。( 1950年代後半の最盛期には全国で二万軒から三万軒の貸本屋が有ったと言われ、都内…