設計番号B65型超甲巡
日本海軍の計画した大型巡洋艦/巡洋戦艦(未成)。ドイツのシャルンホルスト級、アメリカのアラスカ級に相当する。超甲巡とは甲巡(重巡洋艦)を超える、という程度の意味。
日本海軍の対アメリカ海軍迎撃計画*1は、最終的に敵主力艦隊に対して、水雷戦隊群による大規模夜間襲撃を行うことになっていた。このためにデザインされた(特型をはじめとする)重雷装駆逐艦と条約型重巡洋艦が戦艦めがけて突っ込んでいくという作戦だったが、米側はこれを警戒して矢鱈に砲力の強化された巡洋艦を大量に用意していた。重巡洋艦は所詮は巡洋艦であって、防御力はそれなりのものしか有しない。
このため重巡を夜間襲撃の旗艦に使っていた場合、運が悪ければその旗艦が早期に脱落しかねないという問題を抱えていた。大規模かつ統制のとれた雷撃戦を敵主力艦に仕掛けるというのが日本海軍の構想である以上、十分な指揮能力を確保することは必要不可欠だった。
超甲巡はその解決策としてデザインされた。
以上を併せ持ち、水雷戦隊への指揮統制機能を有する艦が超甲巡である。戦艦への対抗は、当然ながら*2企図していない。
(795号艦)
(796号艦)
*1:そのためだけに海軍軍備のすべてがデザインされていたと言っても過言ではない
*2:戦艦に出会う=水雷戦隊が雷撃する=任務終了という図式なので
*3:計画のみの艦であり、資料・計画案によるバラツキが存在する。以下の数字はhttp://www.bobhenneman.info/B65.htmに拠った。