いとこの子供に会った。数年ぶりだった。六月の下旬に誕生日が来たようで十八歳。高校二年生になっていた。僕も二十二歳になったばかりだから、あんまり変わらないなと思っていた。でも、あれだけ小さい子供が、あれ程までに大きくなっているという事実に、正直驚きを隠せなかった。 そんな風に思っていたら、相談があると言って腕を引っ張り、人混みを抜け、スッと遠くに引っ張っていった。 そこで彼女はこう言った。 「才能ってあると思う? 私は勉強が苦手で、テストの点も低いから、いい大学にいけない。才能に言い訳したい時がある。お父さんもお母さんもいい大学出ているのに。お金がないし、国立しかないんだけど、国立に行けないかも…