「……フン、人間の『芽かぶ入りあさ漬け塩』など……くだらない」 闇に落ちたエルフの私。 だが、密かに試したこの塩の威力には抗えなかった。 芽かぶの深い海の出汁と塩気が、 野菜に染み込んで至高の浅漬けになる。 スープにしても絶品で、 森の恵みとは違う豊かな旨味に心が解けていく。 だが、冷徹鬼上司の鬼島は、 私が仕込んだ浅漬けを口にすると、冷酷に笑った。 「おい、闇落ちエルフ。手料理で俺に媚びを売るつもりか? 芽かぶの出汁が効いてていい味じゃねえか」 「放しなさい、人間……っ! 私は媚びなど売っていない……!」 「嘘をつけ。その澄ました顔の裏で、 俺に喰われたがってるんだろうが!」 鬼島は私の髪を…