ある夜、這嶋壌(はいじまゆずる)と名乗る青年が訪ねてきました。 なんでも、お礼に一杯おごると約束したそうで、突然、わが家へやってきて、飲み食べして帰って行きました。 徒歩5分圏内に自宅マンションがあるそうで、近くまで、よく来るそうです。 彼との縁は高校時代の柔道部からで、30才離れた僕のことを、高校の頃から尊敬していたそうで、 卒業したら、僕と同じ慶応大学へ進もうと決めていたそうで、大卒後は、どこかの大企業のサラリーマンになったそうです。 彼が帰った後、後から知ったことですが、わが家に小さな発信機が取り付けられており、ランプが赤々と点滅していたそうです。 通常の発信機であれば、見つからないよう…