壱岐対馬つかず離れず冬の靄 (防潮堤の文字が目立つ) 壱岐では、郷ノ浦に宿をとった。早朝に漁港を散歩すると、快晴の玄界灘は水平線まで雲一つなく、素晴らしい深い海の色だった。句にしたような靄など全くない。 入り江の防潮堤に進むと、大きく書かれた「春一番発祥の地」の文字が目に入った。「春一番」は春先の強風のことだが、「発祥の地」とは何の意味だろうと、いぶかしく思い近寄ってみると慰霊の碑がある。 さらに背後の丘の元居公園になっていて、上ってみると、白い2本の「春一番の塔」が立てられていた。そこに詳しい解説版があり、要約すると次のようである。 安政6年(1859)の旧暦2月13日、五島沖にて鯛漁をして…