神樹 作者:鄭 義 朝日新聞社 Amazon ★★★ 山西省の山村。樹齢数千年の神樹が花を咲かせた。それを機に村にゆかりのある亡霊たちが次々と現れ、過去の出来事を呼び覚ましていく。やがて村には大勢の参拝客が訪れるようになった。そこへ共産党が迷信を打破するために戦車隊を送り込んでくる。 「お前だって共産党だ、党の言うことが政策だ、ってことぐらい知っとるだろう。毛主席もおっしゃった――政策と策略は党の命である。今日の名誉回復も政策、昨日の闘争鎮圧も政策だ。今日は今日の形勢あり、昨日は昨日の必要あり、今日の政策で昨日の政策を否定できるもんかね」(p.45) 亡命作家じゃないと書けないような内容でなか…