翻訳家
漢文を駆使した訳文は一読の価値がある。
本棚で待っている本たち。 忘れないように。 デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (上) (ハヤカワ文庫SF) 文庫 – 2016/1/22 フランク ハーバート (著), 酒井 昭伸 (翻訳) デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (中) (ハヤカワ文庫SF) 文庫 – 2016/1/22 フランク ハーバート (著), 酒井 昭伸 (翻訳) デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (下) (ハヤカワ文庫SF) 文庫 – 2016/1/22 フランク ハーバート (著), 酒井 昭伸 (翻訳)
はじめに 小説 4冊 書籍 1冊 最後に はじめに 今回のミニ・ブックレビューは2022年4月に読破した本をブログでのレビュー記事あり・なし問わず紹介します。 今月はブログ内のほとんどの記事をリライトする作業に月の4分の1ほどの膨大な時間を費やしました。 ここ1年以内に書いたものはいいとしても、さすがに4、5年以上も前に書いた記事をそのまま放置するのは恥ずかしくなり、いざ始めるとこれが想像を絶するほどのゴミ文章で、自分で書いた文章を読み返し勝手に苦しむマッチポンプ状態に苦しみました。 読み辛いだけで必要のない文章を問答無用でバッサバサと切り落としていると、途中から長い時間を掛けて書いた文章を削…
『書架の探偵』ジーン・ウルフ/酒井昭伸訳(早川書房 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ5033) 『A Borrowed Man』Gene Wolfe,2015年。 難解な作風で知られる著者のこと、覚悟して読み始めたのですが、ジーン・ウルフにしてはかなりわかりやすいエンターテインメントでした。 作家の複生体《リクローン》を蔵書(蔵者)として図書館で所蔵している世界――。亡父が遺した本の秘密を知るため、コレット・コールドブルックは本の著者の蔵者E・A・スミスを十日間借りることにします。ところが調査を始めた二人は謎の男たちに襲われてしまいます。 邦題が『書架の探偵』であるのもむべなるかな、まるで私立探偵…
SF小説が苦手である。嫌いではなく苦手。科学的な脳みそをどうやら備えていないらしい。筆者みずから、おのれの頭の悪さに呆れる、そんな作文である。 そんな中でも、再読はおろか幾たびも読み返しているのが、ダン・シモンズの『ハイペリオン』である。『ハイペリオン』『エンディミオン』『エンディミオンの覚醒』『ハイペリオンの没落』と、SF小説の世界ではふつうなのかもしれないが、よくまあ書いたと感心するほど長いながい小説である。 なかでも好んでいるのは初めの一冊になる『ハイペリオン』。某アニメに出てくるらししいが、その効果と意味はわかりかねる。 それはまあさておき、この作中登場するサイリーナスという煮ても焼い…
年末ということで年末っぽいブログをめちゃくちゃ書きたくなった僕は今年読んだ小説の感想をまとめることにした。 2021年には読んでいないものは省いたつもりだけど、2020年に読んだやつとかあったらごめん(記録とか付けてないからちゃんと覚えてない)。あと本自体は積読がかなりあるので、そういう途中のものは省いた。 自生の夢 短編集。短編集だけれども、「Cassy」という自分の考えていることや、状況や、感情を、AIが自動的に最適な言語化を行ってサーバに保存したりネットワーク上に公開できるインテリジェンスツール(つまり、めちゃくちゃ性能の良いAIでやるSNSみたいなもの)が巻き起こす騒動がメインに描かれ…
映画「ジュラシック・パーク」 “人間は、唐突で急激で不合理な変化が自分たちの存在そのものに 組み込まれているとは考えない。 だが、事実はそうだ。 それを指摘するのがカオス理論なんだよ。” 書籍「ジュラシック・パーク」 マイクル・クライトン 著 酒井昭伸 訳 映画"Jurassic Park" 1993年 スティーヴン・スピルバーグ 監督 この間、鳥カフェデビューしてきました。 旅先で予定していた行程がことごとく天候理由で中止になってしまい、 空いた時間を潰すために偶然近所にあった鳥カフェにお邪魔しました。 放し飼いの鳥との触れ合いは経験済みだったし、実家にはカナリアもおり、 「まあ、大丈夫かな…
映画『DUNE/デューン 砂の惑星』オフィシャルサイト 大ヒット上映中!古典的な名作SF『デューン 砂の惑星』が、映画『ブレードランナー 2049』を製作したドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によって新しく映画化され、10月15日より公開されている。原作自体も長いため約2時間半と長めの映画だったが、長すぎるというほどでもなく、画面に引き込まれて終わりまで楽しめた。映像の美しさや音楽の素晴らしさを堪能するためにも、ぜひともIMAXの映画館で観たい作品だ。 1984年にもリンチ監督により映画化 映像化が困難と言われてきたこの作品は、1984年にもデヴィッド・リンチ監督によって映画化された。こちらも何度か観た…
はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」 物語の世界にたっぷり浸れる長編ファンタジーを10個選んでみました。 (どの順番で紹介しようか悩んだあげく、自分が読んだ順で落ち着きました。) 映像化されているものも多いので、そちらの感想も一言書きました。 1.『ドリトル先生』シリーズ 2.『コロボックル物語』 3.『ナルニア国物語』 4.『指輪物語』 5.『ハリーポッター』シリーズ 6.『守り人』シリーズ 7.『氷と炎の歌』 8.『十二国記』 9.『ガフールの勇者たち』 10.『テメレア戦記』 1.『ドリトル先生』シリーズ ヒュー・ロフティング 井伏鱒二訳 岩波書店 お人好しの医者、ドリトル先…
ドゥニ・ヴィルヌーブ監督の『DUNE / デューン 砂の惑星』・・・1年越しに公開された超期待作を10/15の公開初週にIMAXシアターで観てきて、あまりの傑作っぷりに、それ以来興奮が冷めず何も手をつかない状態になってしまっている。何かデューンについてアウトプットしたいという生理的な反応と、この娯楽大作と言い切ることが困難な芸術的超大作が果たしてヒットするのかという不安に苛まれ、少しでも興味のある方には劇場にーーできれば足を運べる範囲で最高の設備を備えた劇場にーー行って体感して頂きたい、1人でも多くの人に布教したいという思いで、何も考えずに本記事を書き始めています。正直、本作をきちんと総括して…
火星へ 上 (ハヤカワ文庫SF) 作者:メアリ ロビネット コワル 早川書房 Amazon 火星へ 下 (ハヤカワ文庫SF) 作者:メアリ ロビネット コワル 早川書房 Amazon 『火星へ』(上)(下) メアリ・ロビネット・コワル著 酒井昭伸訳を読む。 前作、『宇宙(そら)へ』では巨大隕石の落下により全地球規模で大きなダメージを被る。その打開策として「月面コロニー」計画に着手。そして、本作では次なる計画「火星コロニー」の建設へ。 「レディ・アストロノート」と呼ばれる宇宙飛行士エルマは、月から宇宙ステーション、そこから地球への帰還途中、アクシデントにより「不時着」させられる。やっと到着かと思…
2021-10-20 水 映画『DUNE/デューン 砂の惑星』オフィシャルサイト 大ヒット上映中! (warnerbros.co.jp) シネコンにて10時の回。観客15人。 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のSF大作ということで、期待にたがわず大迫力。音楽も無国籍で不安がよぎる感があって、よかった。 上映時間155分ということだが、それでも原作の完全描写には至らず(当然)とくに母や教団の能力についてとか、砂漠の過酷さとかは次回に期待ということで。 原作(手元のはハヤカワ文庫、新訳版、2016)は1965年に刊行され、日本では1972年から1973年にかけて刊行されたそうだ。いや名作だよ。ちなみに訳者…
エンディミオンの覚醒(上) 作者:ダン・シモンズ 早川書房 Amazon エンディミオンの覚醒(下) 作者:ダン・シモンズ 早川書房 Amazon 「エンディミオン (上下)ダン・シモンズ/酒井昭伸訳」 ハヤカワ文庫 「エンディミオンの覚醒 (上下)ダン・シモンズ/酒井昭伸訳」 ハヤカワ文庫 世の中は「三体」ですが、ハイペリオンシリーズの三部と四部を読了。 面白かった!(晴れやかに) 率直に言えば、前二作の方が好きだけど、でも面白かった! せっかく構築された科学的論理なんかさっぱり理解できてないけど、ありったけのイメージを掻き立てられる世界観に夢中で読了。 各惑星の描写が壮大かつ詳細。某局の世…
国書刊行会<未来の文学>シリーズの一冊として出版されたジャック・ヴァンス傑作選。朝倉久志氏の遺訳5編(うち初訳2編)を含む全8編を収録。既訳作品も全て全面改訳、16ページもあるヴァンス評伝+収録作解題+ヴァンス全著作リスト8ページという豪華版「訳者あとがき(酒井昭伸氏)」付きという完全保存版。奇跡なす者たち (未来の文学)作者:ジャック・ヴァンス国書刊行会Amazonジャック・ヴァンス。通好みというか玄人好みというか、「一筋縄ではいかない」という印象があって、なんとなく避けてきた作家。中学か高校のころに<魔王子>シリーズを図書館で借りて読んだような気がするものの印象に残っていない。2006年に…
みなさーん、最近環境の変化はありましたか? そしてその変化は自発的ですか? 異動の辞令、家族の都合など、自分が望んでないにもかかわらず環境が変化しちゃった、という方も多いのではないでしょうか? 私の変化は半年前に彼にフラれたことです。ぜんぜん自発的じゃない(涙)。 そんなときに、都市と星/アーサーC.クラーク著/酒井昭伸訳というSF名著を読んで、 コンフォートゾーンから”強制的に”出されちゃうこと について考えました。 ◆ 自分が望まなくても、コンフォートゾーンを出されてしまうのは宿命 ◆ コンフォートゾーンを出されちゃったときの対応策 ◆ 日ごろからコンフォートゾーンをちょこっと出る訓練をす…
SFマガジン 2021年 06 月号 異常論文特集 早川書房 Amazon 異常論文特集監修:樋口恭介柴田勝家の異常論文を読んだ樋口恭介が「異常論文アンソロジー読みてえ」とツイートし、それを読んだ異常編集者・塩澤快浩が「SFマガジンでお願いできますか? 特集で」と返信したことに端を発する、ジョークのような異常企画がついに実現。異常作家たちの異常伝説が、いま、ここから始まる―― 【異常論文】「INTERNET2」木澤佐登志「裏アカシック・レコード」柞刈湯葉「インディアン・ロープ・トリックとヴァジュラナーガ」陸秋槎「オルガンのこと」青山新「『多元宇宙的絶滅主義』と絶滅の遅延――静寂機械・遺伝子地雷…