『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その8 『野ぢしゃ(ラプンツェル)』〈KHM12〉 【あらすじ&ひとりごと】 昔、あるところに夫婦がいました。 二人は長い間子供を欲しがっていましたが、やっと望みが叶いました。 夫婦の家の裏側には、美しい花や野菜がなる立派な畑がありましたが、そこは魔法使いの女のもので、近づくものはいません。 ある日、妻は畑の野ぢしゃ(ラプンツェル)を見て、どうしても食べたくなります。その気持ちが大きくなり、妻はすっかりやせてしまったので、亭主は妻のために野ぢしゃを取ってきてやろうと考えます。 亭主は魔法使いの畑から野ぢしゃを取って来て、妻に食べさせました。妻はおいしくて次の…