5 盲目的西洋文明追随から脱却し野口整体の方向性を理解する― 本能に発する療術行為「野口法」 私が初めて、師野口晴哉にお会いしたのは1967年4月2日の整体指導法初等講習会でした。講義の始まりに板書をされたのは「背骨は人間の歴史である」という言葉でした。 これは「人がいかに生きてきたか」が、体に、それは中枢である背骨に刻まれていることを意味します(指導を行う上で、その人の歴史を踏まえることが肝要)。 「潜在意識となっている心が背骨なのだ」と、それこそ私の「潜在意識」に刻まれたのです。背骨は心なのです。 師は、「続療病談義 道は通じて一たり」(『野口晴哉著作全集第二巻』)の中で、西洋医学について…