「農と暮らしの技(2)肥土(苗床の土)」で、育苗用土のことに触れた。ここではもっと掘り下げて書いてみたい。 育苗用土にもっとも一般的に使われたのが腐葉土である。材料は落葉広葉樹の落ち葉のほかに、西南日本では常緑広葉樹の落ち葉が使えるし、海辺では松葉も使える。落葉樹の落ち葉がやや早く腐熟し、常緑樹や松の葉は腐熟までに少し長期間を要する。しかし、いずれも最終的には十分使える腐葉土になる。 雪国では落ち葉を使えないことがあると「肥土」のところに書いた。そこで、全国どこでも身近な有機物で育苗用土を作れないか、いろんな材料で用土作りを試してみた。結果、以下の材料は有用で充分使える。 一つは稲ワラ。米ヌカ…