石塚純一『金尾文淵堂をめぐる人びと』(新宿書房、平成17年5月)は、金尾文淵堂の歴史を次の4期に分けている。 第1期(明治32~37年) 第2期(明治38~43年ころ) 第3期(明治44~大正12年ころ) 第4期(大正13~昭和22年) そして、第4期について次のように記述している。 (略)昭和一三年に与謝野晶子『新新訳源氏物語』全六巻を刊行、これを機に出版活動がやや回復するが太平洋戦争が始まり、金尾文淵堂は大阪空襲により京都市中京区西ノ京円町に移転、終戦を迎えた。戦後も九点ほどの出版を行ったが、昭和二二年の一月二八日、狭心症のため金尾種次郎は永眠した。 この金尾文淵堂終盤の京都時代に発行され…