ここ数年、アンティークコインが一部の投資家の間で注目を集めている。株や不動産、金などと並ぶ「実物資産」として、その美術的価値や保存性、そしてインフレへの耐性などが評価されている。 私自身も昔、あるきっかけからアンティークコインの世界に足を踏み入れた。最初は好奇心だった。とあるコイン販売者からアンティークコイン投資を勧められ、「このローマ帝国の銀貨が将来もっと価値を持つ可能性がある」と説明を受けたとき、確かにロマンも感じたし、値上がり益も夢ではないと思えた。 しかし、そうした美辞麗句の裏にある現実に気づくまで、そう時間はかからなかった。 現場で見たのは、表には決して出てこない「業界の論理」である…