何年もかかって長編小説を読むというのは、なかなか楽しいことでありまし て、さて、次は何を読もうかと思案するときも、また楽しです。 その昔でありましたら、岩波文庫の目録を開いて赤帯から何分冊にもなって いる長編ものを選んだりしたものですが、そうして読んだものをもう一度読む ことはあるだろうかです。 もう一度読むよりは、買ったままで読むことができていないものを読む方が いいかなと思って、30数年前に確保して、途中でとまっている小説をひっぱり だしてくることにです。 プルーストの後に読む小説としての候補は、ひとつはこれであり、もう一つは トルストイの「戦争と平和」であります。 当方は、トルストイとか…