文筆家・長谷部千彩の原点となるエッセイ集。美しい女が過ごす、バブル崩壊後の東京の空気が吹き抜ける一冊。何故この本が #本の力を感じた一冊 かと言うと、彼女がもがきながら好きな事を書いているのが伝わるから。 文体は稚拙。 だからこそ本音が透ける。 いくら繕ってもまっすぐな感情が伝わる。 ここまで素直な気持ちが伝わって良いのかとすら思う。 ただの紙の束を通して誰かのまっすぐな気持ちを受け取れる事は滅多にない。ここに私は本の力を感じる。また、彼女の嗜好は読者に影響を強く与える。私もこの本を読み、香水とストッキングの手持ちが増えた。同じ経験をした読者も多いだろう。完璧な文章を読みたい人には薦めない。 …