まず第一部「ブルボン朝フランス」。 冒頭でダーントンは次のように書く。「(18世紀についての)一般的な歴史解釈では、表現の自由を促進しようとする作家の試みと行政官の抑圧的な活動を対比させる。(中略)こうした解釈には利点が多い。古典的自由主義や人権擁護への強い関心という観点、すなわち、啓蒙主義に由来する近代的な視点ではとりわけそうである」(本書14頁)。 しかしダーントンはこうした歴史解釈を次のように批判する。 「価値判断を歴史的客観性に適合させる方法としての妥当性はともかく、実際の検閲がどのように機能していたかという研究に裏打ちされていない点で根拠を欠いている」(本書14頁)。 それではダーン…