闊歩する漱石 (講談社文庫) 作者:丸谷才一 講談社 Amazon とりあえず、夏目漱石のことだけを書いて、本が1冊成り立っているのがすごい。 私はただのミーハーな夏目漱石好きだから、彼を分析しようとなんて思わず、ただただ面白いなあ、と思って読んでいるだけ。その面白さをこうして事細かに説明されると、夏目漱石がいかに古典や(当時の)現代文から多くのことを学んで、そこから実体験や環境、時代などを反映して、小説として昇華している、ということを気付かされて、ただただもう、その知識量と活かし方に圧倒される。それと同時に、こうして分析できるということは、つまりこの人の知識量もすさまじく、1冊で2人に圧倒さ…