何十年前の大学卒論は中世惣村について書いた。 滋賀県東近江市今堀町(当時は八日市市だった)の「今堀日吉神社文書」を資料に使った。 昔は、日本中世史は暗くて、何かごちゃごちゃとしてよく分からないというイメージが少なからずあった。が、惣掟や土地帳簿類を調べていると、自分たちの自治組織を守ろうとするエネルギーを感じられて、ますます興味が湧いたのを覚えている。 呉座勇一さん 現在では、この日本中世史のイメージもずいぶんと変わってきたと思う。 呉座さんの「 応仁の乱 」(中公新書)がよく売れて、メディアでも取り上げられたことからも分かる。 新書にしてはずいぶんと分厚い本だけど、興味深く読み進めることが出…