10月某日。 義父の四十九日法要は、雨だった。 遡ること3か月、義母の四十九日法要の日は梅雨明けの酷暑だった。 わたくしは寺での法要の後、会食を辞し職場に向かってしまった。 結果、義父と共に食事をする機会を永遠に失ってしまったのだ。 夏と秋。隣り合わせの季節で今年2度目の四十九日法要。 そして義母の時と同じ店での会食である。 義父の陰膳の前で義姉の箸は進まない。涙も止まらない。 マスク会席では会話もままならない。 義兄嫁が早々に席を立ち、義父の遺影に向かい好物だった鰤の刺身を供していた。 生醤油をタップリと浸けて。 わたくしも義兄嫁に倣い、漬物を醤油に浸して遺影に供してみた。 ・・・ふと向けら…